営業マンは、お客様にものやサービスを購入していただく過程で、多くの反対に出会います。
しかし、どの段階で反対が出るかををあらかじめ予想してプレゼンテーションすることは困難です。
そこで、いつなんどき対処することになるかわからない反対にたいして、この反対処理の技術は、日ごろから慣れておかなければなりません。
反対の種類は2つ
お客様の反対には、大きく分けると2つあります。
ウソの反対
うその反対は面談の初めの方で出てくる場合が多く、「今忙しいので」「じっくり検討してみます」などが挙げられます。
これらの反応は、うその場合が多いのです。
「うその反対」にはどんなに経験豊富な営業マンも処理することができません。
また、この種の反対を処理しようとすると、購買行動への導入の手順が乱れてしまいます。
ウソの反対は・・・【無視】する
「そうですよね」とか「大切な問題なので後程お答えします」と言って自分が進めたい話の続きをします。
本当の反対
お客様が何回も聞いてきた質問、意思決定を促す際に出てきた反対などは本当の反対の場合が多いので、しっかり処理しなければなりません。
反対処理の3つのテクニック
お客様の抱える問題や欲求を的確に解決したり、かなえたりすることが出来れば、反対は出てこないはずです。
しかし、お客様にとって不明な点が残っていたり、しっかりとお客様の問題や要望がつかめていないと、反対はでてきます。
そのような場合には、いくつかのテクニックを用いて、お客様にとって不明な点や見落としている要望などを見つけていって、解決に導きます。
Yes,But法
お客様の意見に一旦同意し、それから反対処理をするテクニックです。
まず、Yesを言うことによりお客様と対立関係になるのを防げます。
その後、反対の意見を述べるのです。
お客様と対立関係になってしまったら、その時点で購買行動への導入プロセスは終わりです。
反対処理には必ずYes,But法を使いましょう。
ブーメラン法
お客様が言った反対を、そのまま同意させる理由にしてしまうテクニックです。
お客様 「当社では、すでにそのようなサービスを導入済みですよ。」
営業マン「そうですよね、じつは、同様のサービスを導入されている会社ほど、この話は喜んで下さるんですよ。」
というような使い方です。
これはタイミング良く使うと大変効果的です。
復習法
お客様が言った反対をもう一度言い直してもらい、さらに営業マンが言い直すというテクニックです。
これはお客様の反対のパワーを弱める効果があるので、強い調子で出てきた反対によく使います。
お客様 「この金額では、とてもじゃないけど無理だね!」
営業マン「と、おっしゃいますと?」
お客様 「だから、今の金額の倍の値段じゃ払いきれないよ。」
営業マン「なるほど、今おつかいのものより値段が高いということですね。」
一見商談は不調に終わるようにみえる状況でも、問題が絞り込めれば、解決策を見つけることはそれほど困難ではなくなるはずです。
まとめ
反対処理はお客様の購買行動を促す過程の中には含まれていません。
なぜなら、お客様が全体の過程のどの時点で反対してくるかわからないからです。
ここで紹介したテックニックは、反対をつぶしてしまうためのテクニックではありません。
いったん「反対」にむかってしまった、お客様の購買行動をいまいちど、「欲しい」という購買行動にむけるためのテクニックです。